さかほがひ 上田敏 Guide 扉 本文 目 次 さかほがひ 一 二 三 一 阿古屋の珠を 溶きたる酒は のこさで酌まむ。 ほせよさかづき ほせよ、ほせよ、觴。 のめや、うたへや、 うたへや、のめや。 あゝ、おもしろ あゝ、おもしろの さかほがひ。 二 薫はたかき さゆりの花は かざしにさゝむ。 たをれ、かざしに、 たをれ、たをれ、揷頭に のめやうたへや、 うたへや、のめや。 あゝ、おもしろ、 あゝおもしろの さかほがひ。 三 色さへ香さへ 妙なるひとを あかずもこよひ みるが樂しさ、 みるが、みるが樂しさ。 のめや、うたへや、 うたへや、のめや。 あゝおもしろ。 あゝおもしろの さかほがひ。 底本:「上田敏詩集」玄文社詩歌部    1923(大正12)年1月10日発行 入力:川山隆 校正:岡村和彦 2013年1月22日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。