玩具箱 ─人形及び動物のいろいろとその生活─ 萩原朔太郎 Guide 扉 本文 目 次 玩具箱 ─人形及び動物のいろいろとその生活─ 朝 夕 朝 青い服をきた獵人が、 釣竿のやうなてつぽうをかついで、 わん、つう、わん、つう、 このへんにそつくりかへつた主人のうしろから、 木製のしなびきつた犬が、 尻尾のさきをひよこつかせ、 わん、つう、わん、つう。 夕 さむしい Hotel の臺所で、 のすたるぢやのメリイが泣いて居る、 ほんのり光る玉菜のかげから、 ぜんまい仕かけで、 鼠がひよつくり顏を出した。 底本:「萩原朔太郎全集 第三卷」筑摩書房    1977(昭和52)年5月30日初版第1刷発行    1986(昭和62)年12月10日補訂版第1刷発行 入力:kompass 校正:小林繁雄 2011年6月25日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。