歓喜
中野鈴子
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思っただけでも胸がおどる
裸一貫のわたしらが堂々と乗りこんでゆき
おお
このわたしら
わたしらのタコだらけの手
真黒に焼けたおでこ
ただ一つの心臓
二本の足
二本の腕に
あらゆる権力と最上の美しさを打ちたてる日
働いて笑える
働いて肥える
おお
その日、その世界よ
思っただけでも胸がおどる
底本:「中野鈴子全詩集」フェニックス出版
1980(昭和55)年4月30日初版発行
入力:津村田悟
校正:夏生ぐみ
2018年11月24日作成
青空文庫作成ファイル:
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