自滅
中原中也
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親の手紙が泡吹いた
恋は空みた肩揺つた
俺は灰色のステッキを呑んだ
足 足
足 足
足 足
足
万年筆の徒歩旅行
電信棒よ御辞儀しろ
お腹の皮がカシヤカシヤする
胯の下から右手みた
一切合切みんな下駄
フイゴよフイゴよ口をきけ
土橋の上で胸打つた
ヒネモノだからおまけ致します
底本:「新編中原中也全集 第二巻 詩Ⅱ」角川書店
2001(平成13)年4月30日初版発行
※底本のテキストは、著者自筆稿によります。
※()内の編者によるルビは省略しました。
入力:村松洋一
校正:きゅうり
2019年6月28日作成
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