短歌集 日まはり
三好達治

短歌集 日まはり

わが跫音

路をうつわが杖の音

われは聴く

わが生の音づれ

日まはりや床屋しづけき菜園に




やま鳥



草生ふる電車線路を

あしびきの

やま鳥はつと

走り越えにき



白骨温泉にて



うら山に

銃の音せり

時をへず またも音せり

鶫落ちけむ


日のあたる

石垣の裾の 鷄ら

たちて歩めり

一羽のこれる


落葉松の林に入りぬ

繍眼兒めじろらは

われをさけつつ

枝うつりする


もろもろの

想ひのはてよ

落葉松のしづ枝にたちて

松の香をかぐ


これやこの

さやかに胸にしのびいる

落葉松の香に

にし戀もがな


夕づつの 傾くころを

谿あひの

住ひの前に

薪を割るひと


夕ぐれの

谿間に薪を割る人の

鉈のうごきの

あはれなるかも


木枯しも

四邊の山のをちをゆく

靜けき庭に

狐啼きたり


きその夜も この夜も

水車小屋にきて

ただひとこゑを

啼く狐かな


戞然と

狐啼きたり

筆を擱きぬ

わが嘆かひも 歩み出でんとす


めでたさは

冬のはじめの山峽に

太しき熊を

獲てし狩くら


熊を割き

酒ほがひせる 夜のふけの

歌ごゑきけば

山はかなしき



行潦



秋の日の

行潦にはたづみの邊に 雀兒ら

こもごも來り

みそぎするかも


小春日の

百日紅の枝 撓めつつ

搖れつつ

蟲を 食める雀兒


あたたかき藥壜こそ

しみじみと

手によろしけれ

病みて秋更く


友は來ね

軒端にあそぶ雀兒の

つばさのかげり

わがふみに落つ


病ひいえて

また山川を戀ひそめぬ

鴫にも似たる

わがこころかな


しみじみと

世のみじかきを思ふかな

こころしづかに

あめつちを見む


ひとしきり

落葉は土にひそまりぬ

御堂の影を

飛べる黄の蝶



神崎川附近



茜さす

かの夕燒をよしといひ

母ぢやと渡る

冬の橋かな


除夜の鐘

川のあなたに起るらし

汽車の遠音の

とどろきくるも


汽車のゆく

遠音はきこゆ

物置きの 亞鉛なまこの屋根に

猫とび下りつ


色ふりし

富士紡績の煉瓦塀

その裏路を

オートバイ行く


堀割の

夕ぐれをゆく艪のきしみ

煙突はみな

けむをなびかす


枯れ草の黄ばめるほどに

夕陽さす

韓國人からくにびとの 屋根にある

くつ


大橋の

橋の袂にもやひたる

しも肥舟に

鶺鴒ゐるも


汪洋と

潮のみちくる 冬の橋

わが見るときに

ともりけるかな


霜の夜に 嘆かふこころ

鏘然さうぜん

鎧の袖の

ふれあふごとし


地にありて

何はなけれど

人情の 濃やかなるに

泪はおつれ


百ばかり

枠に張りたる牛の革

ほせる廣場に

霰たばしる


曳船は

ゆくらゆくらに上りくる

その煙突の

注連飾りかな


淡雪や

うづのみづ兒の宮詣で

うぶ衣のきぬの

さやさやなるも


雪のふる

鎭守の宮の樟の木に

ごむ風船の

ゆれてかかれる


網干せり

腰蓑などもほしてあり

家鴨ひそかに

鳴きゐるところ


裏戸でて

蜜柑をむける女あり

まがきの椿

ふふみかたしも


槻の木に

大根ほせる 冬の家に

ピアノのなるも

そぞろなりけれ


晝の月

わがゆくりなくうかがひし

門のうちなる

葱畑かな


喘ぎこし

月毛の馬は にむかひ

ながながし尿しと

放ちそめたり


京菜など

菠薐草などつみし舟

夕べのみづに

ててうつれる


たそがるる

冬の沮洳地しよじよちの ものの

鵙一羽ゐて

尾羽根つくろふ


星月夜

潮の落ちたる川べりの

舟はみな

ひぢにかたむける見ゆ


霜の朝

みづのなかにて番ひてし

家鴨しづかに

わかれけるかな


曳船の 音はかすかに

はたはたと

森のあなたを

移りゆきけり


橋の上に

樂書をして遊ぶ子ら

春をのせたる

馬車もくるらし


若菜もゆ

澱粉工場の うら庭に

雞のたたかふ

晝もあはれや


出來島できしまと 呼ばふ島なり

乞食かたゐ住む 川中島に

春の

草萌ゆ


舟夫かこのつま

ともに坐りて 櫛をとる

朝のけしきも

春めけるかな


荷を揚げし

船の胴間に

飼ひ兎 白きがひとつ

跳ねて遊べり


家鴨五羽

おなじ形に睡りたり

ほとほと似たる

影を印して


ひなた來る

飴屋 無心に鉦うてり

干潟の家鴨

いろめきにけり


丸橋と

壁にしるせる 鍛冶屋あり

南の軒に

目じろを飼へり


春のこし 水の香淡し

とほき橋を

荷馬車のわたる

音のよろしも


晝餉する

ころほひならし 舟大工

畑のくろ

焚火してをり


石を斫る

鑿の音冴ゆ

藍ふかき 遠山なみも

陽にかがよふや


春の雪

やがて消えつつ

森の樹の 木肌めでたく

濡れそぼちけり


一卷の ふみをくはへし

女狐の 石の像にも

春の

雪つむ


砂黄なる

中洲の鼻にさざめける

さざら波はも

潮の香淡し


春の日の

うちならされしうねにゐる

百舌の振舞ひ

蟲はむらしも


春はやき

裸畑に

家鴨二羽 相伴ひて

畝を越えをり


金絲雀カナリア

きほひ啼くかも

街角の 味噌賣る店の

春のひととき


韓國からくに

翁は笊をつくりつつ

かそかに洟を

すすりけるかも


川べりの

冬菜畑の 石たたき

しまらくありて

飛びて啼きしか


黄梅を窗に置きたり

川べりの

古自轉車を

商ふ家居


牛の革ほせる廣場に

赭牛の

草食みゐるも

あはれなるかな


春の野は

堤に來り

ははそはの母ぢやと

嫁菜摘ままくなりぬ


ふと家鴨

片脚あげてものおもふ

そのみづかき

光に透くや


路のべに

鼻なし男

鋸の 目をたててをり

春の晝すぎ


片町の

築地にほせる目じろ籠

なほししづける

三つならべたり


花咲ける椿の蔭に

さくさくと

林檎を噛める

馬方ふたり


晝の月

米屋の軒にしき啼ける

雲雀の咽喉のど

うす赤きかな


樟の木の

春の落葉は地に滿てり

仔犬走らせ

遊べるをみな


わがいもを 姉を送りし

火葬場の

遙かに見ゆる

野に來つるかも


船に住む 少女をとめなるらし

寺の井ゆ

桶に水みて

いま歸りゆく


はつはつと

モーターの音いそがしく

錨を捲けり

浚渫船は


このさとに つばくら來り

春の風

ひねもす渡る

樟の木の森


鳶の舞ふ 橋をわたりて

髭しろき

朝鮮人に

もの問はれけり


春水に

婆娑と錨をうちたりし

赤きジャケツの

うら若き船夫かこ


海ちかき

春のはじめもかなしけれ

癩病院の

屋根の赤旗


非人小舍 樹の間にたてり

日はうらら

鮒つる人も

ゐてもだしたり


女きて

橋のてすりにもの干せり

煙のながれ

はやき春の日


ほの暗き 橋の蔭より

川しもの

橋二つ見えて

家鴨游げり


いただきに

なにの古巣か透いて見ゆ

老いのくすしき

銀杏のおほ樹


善念寺

いてふ古りたるこの寺に

人をたばかる

狸すむてふ


桃の村

熊の浦てふ大關の

淺葱の幟

はためける路


菜の畝を

踏み越え たたし

うなじあげ

遠見をしつつ 啼く雲雀かな


雀らは

葱の畑ゆとびたちて

葱の畑に

入りてひそけし


畑を鋤く

牛のあしより

ややはやく

綿を積みたる 船のぼりきぬ


桃の花

ひともと咲きて散りにける

この踏切ゆ

遠き海見ゆ


新緑の

樟の小徑にきて坐る

このしあはせを

ひとりごちたり


黄なる蝶

橋の欄干てすりをまつすぐに

飛びて消ぬがに

馬を越えたり


若芽萌ゆ 銀杏のおほ樹

ここだくの

ほつ枝を風に搖れり

日すがら


猫の仔の

三匹は死に

一匹は死ななんとする

枳殼からたちの庭


牝雞ら

うばらの垣をいでにけり

日向の砂に

河豚のまろべる


霧雨の

春の堤を歩む猫

かそかになきて

尾をたらしたれ


花柑子

ひともとありて影まろき

川中島の

蠶豆そらまめの畑


めじろ鳥 ひととき啼かず

たをやかに

籠の格子の

影を身にして


行々子 ひまなく啼けり

時をりに

まじりて啼くは

何の鳥ぞも


尾をあげて

尿いばりを放つ黒き牛

花野にあるも

あはれ深けれ


麺麭はこぶ

車走りぬ粉糠雨

けむる五月の

朝の麺麭の香


ふと杖に ふれて碎けし

蒲公英の

實の飛ぶ方の

工場の音


たそがれの

醤油倉の香をきけば

盜みをしたる

ごとくかなしき


むきむきに

空を指したる麥の穗の

いまは動かず

黄ばみ衰ふ


日も暮れぬ

家鴨の群れを追ひやらふ

おうなの聲の

水にひびかひ


茱萸ぐみあかき

庭にひそめる娘子ら

木の實を盜む

晝ふかみかも


砂の上に

尾なき蜥蜴もでて遊ぶ

川中島の

南瓜畑かぼちやばたけ


𢌞船を

ここにもやひて 何かよぶ

男のたてる

紫蘇畑かな


母と子の

羊が二匹

黄昏を めづるさませり

草の堤に


新造の

舟成らんとす 鑿の音や

六月三日

茄子の花さく


鳶一羽

甘薯畑に下りんとす

癩病院に

近き河じり


浪の音 草の葉の聲

河じりに

雲雀囀る

うす曇りかな


一村の 墓地をかこみて

つらなれる

淀河じりの

薯畑かな


河口の

靄に島見ゆ

遙かなる 島に動ける

起重機も見ゆ


消防夫

三人よりて仰ぎゐる

詰所の軒の

つばくらの雛


夏は來ぬ

つばくらの子が親をよぶ

瓜の花より

黄なる嘴


閘門の 番所の庭に

咲ける花 爪きり草を

蟹よ

爪きれ


氷挽く

鋸の音いさぎよき

氷室の軒を

いづるつばくら



をりふしの歌



柿の花

狹筵さむしろに散る春の日の

少年の日も

人を戀ひゐし


蝉のころ

松の丘べをゆくときは

かなしきほどの

思ひ出もよし


火食鳥

土を啄む網の

幾輪咲きし

向日葵の花


松が枝に

寄生木の實もうれにけむ

日にしばらくを

鵯どりなくも


百ばかり

枯萱山の日おもてに

鴉下りゐる

冬ふかみかも



信濃路



水浴みし

山の乙女ら おのもおのも

ほとをかくして

立ちにけるかも


小淺間の 緑の袖に

大淺間

ぬかをかくすと

うなじこごめし


高原たかはら

甘藍畑きやべつばたけゆたつ鳥の

淺間が嶽に

むかふひとつら


大鴉

枝豆青き畦にゐて

肩かがやかし

かへりみするも



發哺ほつぽ温泉にて



山の湯の

軒端の籠に なれて歌ふ

頬鳥ほほどり

うその鳥かな


山の湯の

軒端の籠に なれて眠る

鷽の小鳥を

りて見し


みすず刈る

信濃の國の 蚤をとると

ランプの蕊を

まさらしめたる


油蝉なくが靜けし

樺の森の

梢に淡き

晝の月見ゆ


澁の湯へ

駄馬も下りぬ

雷の後 ほととぎす啼く

志賀の高原たかはら


鶺鴒の 足跡ありて

めぐりたる

テニスコートの

水溜りかな


蛇の皮

ほろりほろりと轉がりぬ

白きかけろの

後ろにちかく


牝雞ら

ふふみ鳴きする 日の日なか

洗濯ものに

虻のとまれる


虹の橋 谿にかけたり

七彩の

橋の袂に

なける鶯


女客 白き靴ぬぎ

石の上に

干して

しばらく そこに立ちたり


白き馬

郵便物をのせてきぬ

燕むらがる

山の湯の宿


山畑に

馬鈴薯じやがたらいもの花さけり

つばくらつが

八月の晝


ひなぐもる

この裏山の道標だうへう

鶺鴒一羽

はしをとぎゐし


油蝉 山毛欅ぶなにきたりて

しまらくは

川瀬の音を

歌ひけしたり


山兎 箱に飼はれて

あるときは

伸びして見せつ

あはれ深しも


向つ山

人の住まざるまろ山の

青草山に

雲の影見ゆ


まらうどの

熊蜂ひとり卓をしむ

南瓜の花の

黄なる部屋かな


路のべに 子らのきたる

これはこれ

山鳩の墓

野兎の墓


蜻蛉あきつより

やや高く飛ぶ 秋の雲

光りかがよひ

山に入るかも


藥師湯の

赭土庭あかつちにはにたつ馬の

尾をふる影も

さやけし 秋は


天狗湯の

天狗の宮の小太鼓を

うつ戲れも

秋は身にしむ


馬糞茸

はかなき命寄りて生ふる

そのまろ山を

見つつをかしき


南瓜うれ

この一山いちざんの岩燕

數をへりつつ

秋ふかみけり


上林かんばやし しぶの方より

しまきくる

夕立雨に

岩燕まふ


爪黄なる

蟹の甲羅に

たまゆらの 水の飛沫の

うつりてあるかも


黒き蝶

物置小屋の小廂に

とまりて歩む

秋の朝のま


をんなきて

わが住む部屋に音をたてて

ははくさま見ゆ

このうら山ゆ


山畑に

トマトやうやく色づきし

二百十日の

晝のしづけさ


秋立ちし

山懷ろの葱畑に

雲母きららの羽を

いこふ蜻蛉あきつ


あけの雲

黒姫山をつつみたり

テニスコートに

鳴ける馬追ひ


晝の雲

舟のさまして動かざる

鹿島鎗てふ

藍の山かな


牝雞ら

二羽三羽きて

路の上に

蝗の蟲を 捕へけるかも


山の湯に

鷽の雛飼ふ

秋の日の

二百二十日となりにけるかも


秋たちぬ

人と別るる 旅の日の

沓打茶屋の

きりぎりすかな


もの振りて

わが名よぶらし うかららを

沓打茶屋の

高處たかどより見し


空青し

人と別れし高原たかはら

耳鳴りににし

音のきこゆる


秋深み

黒き蝗の 一つゐて

羽すり鳴けり

赭土の路


谿の霧

この湯の宿の 一百の

ランプを戀ひて

捲き來るらし


秋深み

石の上にも葉ずゑにも

蜻蛉あきつらを見ず

はやもほろびし


西海に

平氏の亡ぶさまににて

山にうせたる

あはれ蜻蛉ら


わが歌の

かばかり 調べあやふしと

兎跳ねたる

朝の斷崖きりぎし


雞一羽

ねむげに ここに坐りたる

あけの雞冠とさか

それもたふれし


つばくらら ひぢうちつけし

わが部屋の 玻璃戸もよろし

白馬嶽

見ゆ



高原の奧草野といふに熊笹を伐る山人らの笹もて葺ける小屋三四あり


あしびきの

山の麓の秋祭り

草野の小屋に

人らをらずも


今宵また

不知火見ゆと 國原の

長野の街の

をめづるかな


ひもすがら

山の小徑の落葉を

踐むをよろこぶ

あはれなるさが


懸巣どり

羽たたき急に歸りくる

あなはろばろし

紅葉の谿は


名なし山

この日おもてに

楢の木の 落葉する日も

啼ける鶯


笠ヶ嶽

笠かたむけてかへりみる

平床ひらとこの原を

わがいそぐなり


平床の 原のみんなみ

色ふりし

旗をたてたる

熊の湯どころ


あなあはれ

いまだもありし黄の蝶の

この裏山の

樺をめぐれる


いまはとて

黄の羽衣のここに舞ふ

落葉のころの

裏山の蝶


遠方をちかた

妙高嶽ののみ見え

紅葉の谿に

狹霧流らふ


いづこより こし烏かも

火焔ほのほなす

紅葉林こうえふりん

半日ひなか啼きゐし


鶴作つるさく

はだら佐渡牛さどつこ

みすず刈る 信濃のすず

負ひて下るも


實の赤き

眞弓の枝を甕に入れ

こころ足らふに

にたるひととき


二ひらの 三ひらの落葉

枕邊に

甕の眞弓の

ふらしたり朝


何の葉か

一ひら高く空に舞ふ

谿の上なる

木枯しの宿


大工ひとり

物置小屋にこもりゐて

冬さりにけり

臼をつくれる


山峽の

雪の日暮れにともしたる

ランプの火屋ほや

指のあとかな


鎗ヶ嶽

雲の間に躍りたる

晴れやめでたき

神無月かな


旅人の

伴ひてこし赭き犬

もの追ふさまに

走り勇みき


實をもてる

柿の數株のしだり枝の

とりめぐりたる

家ゐひそけし



上林温泉にて



雪の村

このかた岡に 陽をうけて

いささかばかり

竹のある よし


人戀ひし

藁家の屋根に

鶺鴒の 一羽ゐて啼く

春の夕ぐれ


つくつくし

ほのかに花粉散らしたり

蜥蜴の藍の

ふれて走りし


ひうち

消ぬがに

淡し 月の出の

夕べは閉す かたくりの花


燧嶽 ほのかに見ゆと

わが妻は

月をそがひに

立ちにけるかも


階畑しなばた

杉の林のへりをゆく

かの蛇捕りは

うなじ垂れてし


蛇の腹

かの蛇捕りの手に垂れて

光りつつ

丘を 越えてけるかな

底本:「三好達治全集第一卷」筑摩書房

   1964(昭和39)年1015日発行

底本の親本:「定本三好達治全詩集」筑摩書房

   1962(昭和37)年330

初出:やま鳥「苑 三號」

   1934(昭和9)年7

   白骨温泉にて 「うら山に」から「戞然と」まで「作品 四卷一號」

   1933(昭和8)年1

   行潦 「秋の日の」から「あたたかき藥壜こそ」まで「作品 三卷一一號」

   1932(昭和7)年11

   神崎川附近 「茜さす」から「曳船は」まで「作品 四卷二號」

   1933(昭和8)年2

   同 「淡雪や」から「出來島と」まで「作品 四卷三號」

   1933(昭和8)年3

   同 「春のこし」から「石を斫る」まで、「この郷に」から「鳶の舞ふ」まで「尺牘 四號」

   1933(昭和8)年4

   同 「春の雪」から「川べりの」まで「作品 四卷四號」

   1933(昭和8)年4

   同 「黄梅を」から「はつはつと」まで「作品 四卷五號」

   1933(昭和8)年5

   同 「春水に」から「善念寺」まで「本 第一號」

   1933(昭和8)年4

   同 「めじろ鳥」「短歌研究 六卷六號」

   1937(昭和12)年6

   發哺温泉にて 「山の湯の」二首、「油蝉」から「向つ山」まで、「路のべに」から「蜻蛉より」まで、「天狗湯の」から「上林」まで「短歌研究 二卷一〇號」

   1933(昭和8)年10

   同 「晝の雲」「谿の霧」「つばくらら」「今宵また」「名なし山」「鶴作の」「大工ひとり」、「鎗ヶ嶽」から「實をもてる」まで「苑 二號」

   1934(昭和9)年4

※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※「やま鳥」は初出時は無題です。

※「行潦」中「秋の日の」から「あたたかき藥壜こそ」までの三首の初出時の総題は「續南窗寮から」です。

※「神崎川附近」中「茜さす」から「曳船は」までの十二首の初出時の総題は「神崎川附近」、「淡雪や」から「出來島と」までの十五首の初出時の総題は「神崎川附近(續)」、「春のこし」から「石を斫る」までの三首、「この郷に」から「鳶の舞ふ」までの二首の初出時の総題は「早春歌」、「春水に」から「善念寺」までの七首の初出時の総題は「水邊早春歌」です。

※「發哺温泉にて」中「山の湯の」二首、「油蝉」から「向つ山」までの三首、「路のべに」から「蜻蛉より」までの二首、「天狗湯の」から「上林」まで四首の初出時の総題は「發哺温泉にて」、「晝の雲」「谿の霧」「つばくらら」「今宵また」「名なし山」「鶴作の」「大工ひとり」、「鎗ヶ嶽」から「實をもてる」までの三首の初出時の総題は「旅情十首」です。

※底本では、冒頭に丸山薫による「序」が置かれていますが、著作権保護期間中のため(1974(昭和49)年没)省略しました。

入力:kompass

校正:杉浦鳥見

2019年329日作成

青空文庫作成ファイル:

このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。