文庫版「芸術の円光」覚書
北原白秋
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「芸術の円光」は昭和二年三月、アルスより刊行された。詩論集として、わたくしの「詩と音楽」時代を代表するものである。
初版は四六判本文五百三十頁、その装幀は自身の考案になつて、漆黒の、独逸製カンヴアス・クロースに、フアブル昆虫記の中から選んだ蜜蜂図を金押ししたものである。たゞ題字の類のみはすべて恩地孝四郎画伯を煩した。
内容については、すでに初版の後記に述べたごとくであるが、この文庫版に於ては、最後の章「山荘より」竝に「山荘主人手記」の二篇を割愛した。一は雑誌「詩と音楽」の鵞ペンであり、一は大震災前後の手記であつて、詩論集としてはいさゝかこれと趣きを異にしてゐるからである。
底本:「白秋全集 18」岩波書店
1985(昭和60)年12月5日
底本の親本:「芸術の円光」白秋文庫、アルス
1938(昭和13)年2月19日初版発行
初出:「芸術の円光」白秋文庫、アルス
1938(昭和13)年2月19日初版発行
※底本における表題「文庫版『芸術の円光』覚書」は、出版社により底本名を補われております。青空文庫でも、底本名を補い、作品名を「文庫版「芸術の円光」覚書」としました。
入力:岡村和彦
校正:川山隆
2011年12月4日作成
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