神に捧ぐる歌
萩原朔太郎
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あしきおこなひをする勿れ
われはやさしきひとなれば
よるも楊柳の木影にうち伏し
ひとり居てダビテの詩をうたひなむ
われは巡禮
悲しき旅路にあるとも
わが身にそへる星をたのみて
よこしまの道をな歩みそ
たとしへなく寂しけれども
よきひとはみなかくある者ぞかし
われはいとし子
み神よ、めぐみをたれさせ給へ
底本:「萩原朔太郎全集 第三卷」筑摩書房
1977(昭和52)年5月30日初版第1刷発行
1986(昭和62)年12月10日補訂版第1刷発行
入力:kompass
校正:小林繁雄
2011年6月25日作成
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