隅田川
宮沢賢治



水はよどみて  日はけぶり

桜は青き    夢のつら

は酔ひれて うちをどる

泥洲の上に   うちをどる


母をはるけき  なが弟子は

酔はずさびしく そらを見る

その蘆生えの  蘆に立ち

ましろきそらを ひとり見る

底本:「新修宮沢賢治全集 第六巻」筑摩書房

   1980(昭和55)年215日初版第1刷発行

※底本は、「作者専用の詩稿用紙に書かれた詩篇を収録し」、多くの詩篇で、詩稿の形式に合わせて上下に二句を配置し、字間スペースなどを調整して下の句の頭が横にそろうように組んである。この形を取っているこの詩篇では、句間を最低全角2字空けとし、下の句の頭を横にそろえた。

入力:junk

校正:土屋隆

2011年514日作成

青空文庫作成ファイル:

このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。