写真(一幕)
岸田國士



人物

三好大尉

三好夫人

女中

隣の細君

忠坊


東京の郊外──初秋の午後。

三好大尉の家──庭に面した八畳の座敷。


縁先に腰をかけ、一心に写真ブツクの写真に見入つてゐるのが隣の細君である。

そこへからだを乗り出すようにして、頻りに写真の説明をしてゐるのが三好大尉夫人。


三好夫人  早いもんですね。もう今年で六年目ですからね。

隣の細君  ほんとにね。でも、お子様はお一人きりですし、お気楽ですわ。

三好夫人  気楽なもんですか。これが、宅の両親ですの。ええまだぴんぴんしてますわ。これが宅の姉の片づいた先の母親の兄の子ですから……つまり、何にあたりますか……。

隣の細君  なるほどね。

三好夫人  これは、前の聯隊長さんですの。

隣の細君  へえ。

三好夫人  奥様がいい方でしてね。

隣の細君  全くね。

三好夫人  宅は、それや、隊長には運がいいんですの。初め任官当時の聯隊長が、今参謀本部にいらつしやる塚本中将で、部下の面倒をよく見て下さる方ですしね、そのつぎの方は、今写真があつた、あの方で、少将になつておやめになりましたけれどね、軍縮でね、これがまた、よくわけのわかつた方で、宅なんか新参の中尉だつたんですけれど、陸軍大学の方もすぐに受けさして下さいましたしね。その頃の大隊長は……。

隣の細君  まあ、可愛い赤ちやんですこと……。お宅の坊ちやんですか。

三好夫人  どれですか。ああ、それはね、違ひますの。やつぱり宅の同期の方で、丁度あたくし達と同じ月に結婚なすつた方のお子さんなんですのよ。その方たちお二人でお写しになつた結婚記念の写真があつた筈ですが……(つぎの頁を繰りなどする)

隣の細君  これ、お宅の旦那様ですね。なんて申すんです、かういふお服は……。大礼服つて云ふんぢやないんですか。

三好夫人  正装つて申しますの、軍隊の方では……。なんだか、子供のやうですわね。

隣の細君  そんなことありませんわ。でも、結構ですわね、こんな立派な旦那様をおもちで……。勲章ですね。

三好夫人  ええ、それは大礼記念章つて申しましてね、今の陛下の御即位当時、特に高等官に賜つたものなんですの。

隣の細君  へえ、さうでせうね、御名誉ですわね。

三好夫人  ええ、まあね。

隣の細君  おや、これはあなた……奥様でせうか……。あら、御免遊ばせ。これ……。

三好夫人  さうですのよ。変に写つてませう。誰でもさう云ひますわ。まるでわからないつて……。どうしてそんなに田舎臭く撮れたんでせう……。一つは写真屋が下手なんですね。やつぱり写真は真崎に限りますわね。

隣の細君  さうでせうかね。

三好夫人  (奥に向ひ)ねえや、お茶の熱いのを一つ入れておいで。

女中  (奥より出て来る)

三好夫人  また返事を忘れたね。この人はそれや働き手ですけれどね、時々、返事を忘れて困ります。さうだらう、ねえや。

女中  (茶器を運びながら)はい。

三好夫人  そのはいはよかつたね。(隣の細君と顔を見合はせて笑ふ)二た月前に田舎から出て来たばかりなんですつて……。正直は正直なんですね。(声をひそめて)可笑しなお話ですけれど、お米のいることつたら……(笑ひをこらへて)さうでせうね、あのからだぢや……。

隣の細君  お宅なんか、女中にしてみれや極楽ですわ。お子さんは少し、奥様はお気のつく方だし……。

三好夫人  さうでもないんですよ。それに、宅が癇癪持ちですからね。でも、叱られるのは、あたくしばかりなんだから、世話はありませんわ。

隣の細君  さうでせうとも……。おや、とんだお邪魔をしてしまつて……。もう何時でせう……。

三好夫人  まあ、よろしいぢやありませんか。今お茶がはひります。ねえや、早くして頂戴。一度しぼつてね。まあ初めのうちは世話が焼けても、辛抱してくれさへすれや、あとが楽ですから……。

隣の細君  ほんとに……。女中を使ふのはなかなかね。宅なんか、主人よりも子供に手がかかりますしね、女中の一人も置かうかと思ふんですけれど、さうすればさうしただけ気骨も折れますし、まあまあつて云ふんで……。

三好夫人  それやもう、置かないで済めばね。あたくしんとこなんかも、主人の方のお交際つきあひさへなければ……。

女中  (茶を入れて来る)あと、お湯沸かしときますかね。

三好夫人  もうないの。どうこはうは……。

女中  さあ。

三好夫人  さあぢやないよ。どうこのをお鉄にうつして、どうこに一ぱいおひやを注いで置くの。

女中  オヒヤかね。

三好夫人  おみづよ。

女中  おみづをね。

三好夫人  さうさ。お前後生だから、そんなに人の顔を見ないでね。それから、お風呂の下を焚きつけといておくれよ。

女中  (黙つて去る)

三好夫人  (隣の細君に笑ひかけ)失礼ですけれど、お宅の旦那様は、おいくつにおなりですの。

隣の細君  (一寸面喰つた体で)宅のですか。さあ、あれでまだ若いんですのよ。(笑ふ)

三好夫人  二三といふところでせうか。

隣の細君  ……?

三好夫人  宅と一廻りはお違ひになりますまいね。

隣の細君  お宅の旦那様は……。

三好夫人  四ですの。

隣の細君  三十……?

三好夫人  ええ。

隣の細君  (やや心外らしく)ぢや、いくらも上ぢやありませんわ。

三好夫人  すると、一ぱいぐらゐ……。

隣の細君  (益〻焦れて)可哀さうに、まだ六ですよ。

三好夫人  (しまつたといふ風に)あら……。

隣の細君  早速帰つて、さう云つてやりませう。(起ち上り、座蒲団を折り)それはさうと、どうも御馳走さま……。奥さまも少しはおいで下すつたら……。ちつとは旦那様を一人にして置いておあげ遊ばせな。

三好夫人  (にらむ真似をして)随分お口がわるい。ぢや、また御ゆつくり……。御免遊ばせ。


隣の細君、去る。


三好夫人  ねえや、さ、ここを片づけて……。(奥にはひる)

女中  (入れ代りに現れる。茶器を片づけながら、不図、写真ブツクの中の写真に眼をつける。つくづくと、何かに見とれてゐる様子である。と、やがて、奥の方に気を配りながら、一枚の写真を抜き取り、急いで懐にしまふ。素知らぬ顔をして、ブツクをたたみ、机の上にのせ、茶器、菓子皿などを持ち去る)

三好夫人の声  ねえや、今朝洗つた旦那様の御襦袢は……? もう取込んだかい。

女中の声  こつちさにあります。

三好夫人  そつちさに持つてつちやいけないつて云つてあるぢやないか。旦那様のものを女中部屋なんかに持込むつて法はないんだからね。気をつけてくれなけあ困るよ。(間)どうも洗ひ方がぞんざいだね、ちつとも垢が落ちてやしないぢやないの。

女中  そこはどうしても落ちましねえです。

三好夫人  落ちましねえことがあるもんか。ほかの人の垢と違ふわけぢやあるまいし……。


此の時、玄関の格子が開く音。靴の音。剣の音。鞄を畳の上に投げる音。


三好夫人の声  お帰りなさい。今日はお早かつたのね。坊や、表にゐませんでしたこと……?

三好大尉の声  ゐなかつたよ。誰と遊んでたの。

三好夫人の声  お隣の坊ちやんたちと。ぢや、またうちへ上つてるんでせう。ねえや、お隣へ行つて、坊ちやんを呼んで来ておくれ。毎度お邪魔さまつて、丁寧に云ふんだよ。

三好大尉  (軍服のまま座敷に現れる)駄目だよ、そんなこと云はしたつて……。(机の上の写真ブツクを見つけ)誰か来たの。

三好夫人  (続いて現れ)お隣の奥さん……。

三好大尉  (そのまま茶の間に姿を消す)手紙は……?

三好夫人  (その後に従ひ)熊次さんから絵端書が来てます、それつきり……。

三好大尉の声  へえ、あいつ、馬鹿だなあ、思ひ出したやうに端書ばかり寄越しやがる。なんて……? どら……。(読んでるらしい)──益〻御清勝の段と来た。金剛山の絶頂をきはめ……は大きいや。虎にでも食はれやしないか。(間)此の襦袢はしめつぽいぜ。

三好夫人  ねえやが、あなたの垢は落ちないつて云つてましたよ。

三好大尉  巫山戯てらあ。ほかのはないのかい。

三好夫人  ぢや、お湯がもうぢき沸きますから、おはひりになつてる間に出しときます。それまで、ぢかにこれを召してて頂戴。

三好大尉  (帯を巻きつけながら座敷に現れ、机の前にすわり、何気なく、写真ブツクを開いて見る)まだ見せなかつたのか、これ、……(返事がないので、一寸茶の間の方を見るが、また頁を繰る)よくこんなものを見せられたなあ。(にやにや笑つてゐる)なんだい、このざまは……。へえ、こんな写真があつたかなあ……。こいつはいかん、此の写真は外しとかうよ……。ねえ、おい、此の写真さ……。

三好夫人  (現れる)どれ?

三好大尉  この、田舎の女教員さ。

三好夫人  いいわよ、あつたつて……。おや、ここはどうしたの、あなた外した?

三好大尉  外しやしないよ。何かはひつてゐたのか。

三好夫人  可笑しいわ。さつきまであつたのに……。あなたの正装の写真よ。大尉に昇進なすつた時の……。さつきお隣の奥さんと見てた時、たしかにあつたの……。そんな筈はないわ。

三好大尉  そんな筈はないつたつて、しやうがないぢやないか。何かの間違ひぢやないか。

三好夫人  いいえ、間違ひなもんですか。現に大礼記念章の説明までしたんですもの。まさか、お隣の奥さんが持つて帰りやしないわね。

三好大尉  何しに持つてく、そんなもの……。

三好夫人  ぢや、どうしたんでせう。(間)いいわ、訊いてみるわ。

三好大尉  誰に……?

三好夫人  お隣の奥さんによ。

三好大尉  馬鹿、馬鹿、笑はれるぞ。

三好夫人  だつて、ぢや、誰がどうしたの。

三好大尉  おれに訊いたつて知るかい。

三好夫人  それ御覧なさい。(眼の色がだんだん変つて来る)わかつた。さうだ、さうに違ひない。

三好大尉  何がわかつたんだい。

三好夫人  いいの、もういいの。だけど大胆なことをするわね。(突然立ち上り、奥にはひる)ねえや、ねえや……。

三好大尉  坊やを呼びに行つたんだらう。

三好夫人  わかつてますよ。

三好大尉  (いが栗頭をガリガリと掻く)

三好夫人の声  どうしたの……何時までも……。


此の時、大尉の一子、忠坊、顔を泥だらけにして現れる。


三好大尉  こら、忠坊、ここへ来い。貴様、悪戯をしとつたな。なんだ、その顔は……。(子供を膝の上に乗せ、写真を指さし)これ、誰だか知つとるか。

女中の声  (此の時、突然、大きく)わたくし、知りましねえ。


長い沈黙。


女中の声  (また、高く)知りましねえもな、知りましねえ。

三好大尉  おい。風呂はまだか。


長い沈黙。


三好大尉  (起ち上り、茶の間に行く)おい、風呂はまだか。


やや長い間。


三好夫人の声  こつちへ来て御覧。(現れる)

女中  (続いて現れる。案外落ちつき払つてゐる)

三好夫人  (写真ブツクの中の写真を抜き取つた部分を示し)これだ。さつきまであつたんだから、変ぢやないか。(女中の顔を孔の開くほど見つめる)ねえ、もうお前が取つたことは確なんだから、正直にお云ひ。お金や品物なんかと違つて、かういふもんだから、決して恥かしいことはないんだよ。取つたなら取つたと云つておしまひ。欲しけれや、更めてあげてもいい。さ、どうなの。

女中  (唇を噛んでうつむいてゐる)

三好夫人  さ、お見せ。何処にある。

女中  (黙りこくつてゐる)

三好夫人  そこに持つてるのかい。(手を出す)

女中  (両肩をすぼめて、取り返されまいとするやうに、固く身構へる)

三好夫人  ぢや、あたしが頼むから、返しておくれ。あれは、一枚しか今手許にないんだから、わきへやるわけには行かないんだけれど、別のなら、あげてもいい。それより……どうしてまた、写真なんぞ取る気になつたの。ただ珍しいからかい。(間)さうぢやあるまい。そのわけを云つて御覧。(此のあたりから、三好夫人の形相は物凄くなる)云へないだらう。それや、さうだらう。(皮肉な微笑を泛べ)お前も見かけによらんあばずれだね。よその旦那さんの写真を肌身につけて、それでどうしようつて云ふのさ。あたしの眼の前で馬鹿な真似はさせないよ。

女中  (此の時、恨めし気に夫人の顔を見上げる)

三好夫人  さ、返しておくれ。出さないのかい。(やをら身を起して、飛びかからうとする気配を示す)

女中  (惶てて懐に手をやり、懐の中のものをしかと握りしめたらしい。それは、取れるなら取つてみろといふ決心を示すものとも見える)

三好夫人  (此の挑戦的態度に、われを忘れて女中の腕に手をかけ、力任せにぐいと引く)

女中  (身構へほどに抵抗もできず)奥さま……。

三好夫人  (夢中で)写真を出せ、出せ……。(女中の手から無理矢理に奪ひ取つた写真は、無慙に紙屑の如くまるまつてゐる)


長い沈黙。


女中  (声を忍んで泣く)

三好夫人  (写真の皺を伸し伸し)大事な写真をこんなにしちまつて。(調子を変へて)お前此の写真を、どうするつもりだつたの。うちの旦那さまが、それほど好きなら、何処へでも伴れて行つて頂けばいいぢやないか。

三好大尉の声  (突然、つぎの間で)馬鹿を云ふのはよせ。見つともない。

三好夫人  (虚をつかれた形で、ぐつと上気のぼせ)あなたが、あなたが、此の女に甘いことでもおつしやつたんでせう。

女中  (あまりのことに声は出ないが、口をもぐもぐさせながら、涙に濡れた眼を夫人にそそぎ、ただわけもなく首を振る)

三好大尉  (猿股一つで現れる)よし、わかつとる、わかつとる。心配せんでいい。

三好夫人  (威猛高になり)何が心配せんでいいんですか。こんなことをさせて、ほつて置くんですか。

三好大尉  お前に云つとりあせん。ねえや、いいから、はつきり云つて御覧、どうしてその写真が欲しくなつたか……。たださういふ綺麓な服を着た軍人さんの写真を、持つてゐて、一寸、誰かに威張つてみたかつただけだらう。

三好夫人  違ひます、違ひます。軍人さんの写真なら、いくらだつてほかにあるぢやありませんか。よりによつてあなたの写真を……。

三好大尉  よりよるつたつて、何処にある。ねえやの腕ぢや、さう楽に手に入りやしないよ、陸軍大尉の正装はね。だからさ、ほかの写真を出して見せてやれ。そつちを悦んで持つてくよ。なあ、さうだらう。

女中  (かすかに首を振る)

三好夫人  (ここぞとばかり)それ御覧なさい。あなたのでなけれやいけないつて云つてます。なんて図々しい女だらう。

三好大尉  もう少し穏かに物を言へよ。そいぢや、かうだらう……。

三好夫人  あなたが智恵を貸しておやりになるんですか。深切な旦那さまはちがつたものね。

三好大尉  よし、それぢや、おれは黙つてる。しかしだね、もし、ねえやが、おれに惚れてたら、どうなんだ。せめて一枚の写真をといふわけでだね、それを無断で取るのは悪いが、断つて貰ふわけにも行くまいから、それはそれでいいぢやないか。別に誰の迷惑にもならんぢやないか。写真では満足できないとなれば、そりや、多少、面倒にもなる。それも、ねえやの前ぢやなんだが、迷惑をするかも知れないのは、おれだけで、お前は、おれを信じてゐればいいのだ。信じられないとなれば、あながち、此のねえやとだけに限るまい。

三好夫人  (キツとなり)さうです、あなたは誰でもかまはないんでせう。

三好大尉  ねえやが笑ふぞ。それはまあ、たとへだ。怒つちや駄目だよ、ねえや……。なあ、ねえやだつて、国にはいい人がゐるかも知れないぞ。(笑顔を作る)おれみたいな、髭なんか生やした男は、ねえやは御免だとさ。

女中  (もぢもぢしながら、満身の勇気を振ひ立てるやうな面持ちで)そんなこたありましねえけんど、写真のこたあ、ほかにわけがありますんです。

三好大尉  (我意を得たりといふやうに)さうだらう。それを云つて御覧。奥さんが安心すらあ。

女中  実は、国から、東京さ、奉公に出とる若いもんは、みんな、ちやんとしたお邸さ上つてるつて云うてはをりますですが、それがどうも怪しいつて評判立てられますですから、わたくしはそんなことねえつていふ証拠見せてやりたかつたもんで……。それや、うちのもんは、東京さ上つて来ればわかりますけんど、近所のものは、なんぢやかぢや云うて、さだ坊は、軍人さんのお邸つていふとるけんど、上等兵も軍人さんぢやとかなんとか云うとる話を聞きましたもんで……そんな、位の下の軍人さんでねえ……。

三好大尉  よし、それでわかつた。おれが、いい証拠を持たして帰してやる。此のつぎの日曜に、みんなで写真を撮らう。ねえやを真中に坐らして、おれが軍服を着て右に立つと、奥さんが、裳模様を着て左に坐ると……。忠坊は、ねえやが抱つこをすることにしよう。それでいいだらう。さういふわけなら、今日のことは、特別に免してやるから、奥さんにあやまれ。

女中  (丁寧に手をついて)奥さま、どうもすみましねえ。これから決して旦那さまの写真を盗むやうなこたあ……。

三好大尉  よし、よし、もうそれでよし。おや、忠坊はどうした。湯殿の入口で待たしといたんだが、畜生、また遊びに行きやがつたな。ねえや、もう一度呼んで来い。


女中、去る。


三好夫人  (面目なげに夫の膝に顔を伏せる)

三好大尉  (手のやり場に困つて、見るともなしに、また写真ブツクをひろげ)あいつ、序にお前のも持つてけばよかつたんだよ。さうだらう、此の田舎の女教員なら、なほよかつた。

三好夫人  (泣いてゐるのか笑つてゐるのか、肩が波をうつ)

三好大尉  (膝をゆすぶり)くすぐつたい、よせ、くすぐつたいつたら……。


──幕──

底本:「岸田國士全集3」岩波書店

   1990(平成2)年58日発行

底本の親本:「屋上庭園」第一書房

   1927(昭和2)年525日発行

入力:kompass

校正:門田裕志

2012年220日作成

青空文庫作成ファイル:

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