にじの歌
小川未明



こちらのもりから

あちらのおか

にじがはしをかけた。


だれが、そのはし

わたる。


からすが三

乞食こじき一人ひとり


乞食こじきはつえついてがったが

からすは、あわてておっこちた。


ちたからすはどこへいった。

夕焼ゆうやけのそらへ。


がった乞食こじきはどこへいった。

ほしさまの世界せかいへ。


にじがえた。

にじがえた。

したまちにはいた。

底本:「定本小川未明童話全集 3」講談社

   1977(昭和52)年110日第1

   1981(昭和56)年16日第7

初出:「おとぎの世界」

   1919(大正8)年9

※表題は底本では、「にじのうた」となっています。

※初出時の表題は「虹の歌」です。

入力:ぷろぼの青空工作員チーム入力班

校正:江村秀之

2013年125日作成

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