海と太陽
小川未明
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海は昼眠る、夜も眠る、
ごうごう、いびきをかいて眠る。
昔、昔、おお昔
海がはじめて、口開けて、
笑ったときに、太陽は、
目をまわして驚いた。
かわいい花や、人たちを、
海がのんでしまおうと、
やさしく光る太陽は、
魔術で、海を眠らした。
海は昼眠る、夜も眠る。
ごうごう、いびきをかいて眠る。
底本:「定本小川未明童話全集 3」講談社
1977(昭和52)年1月10日第1刷
1981(昭和56)年1月6日第7刷
初出:「おとぎの世界」
1919(大正8)年6月
※表題は底本では、「海と太陽」となっています。
入力:ぷろぼの青空工作員チーム入力班
校正:江村秀之
2013年11月23日作成
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