赤い鳥
小川未明



鳥屋とりやまえったらば

あかとりがないていた。

わたしねえさんをおもす。


電車でんしゃ汽車きしゃとおってる

まちんでるねえさんが

ほんとにこいしい、なつかしい。

もう夕方ゆうがたか、がかげる。

むらほうからガタ馬車ばしゃ

らっぱをいてけてくる。


鳥屋とりやまえったらば

あかとりがないていた。

みやこほうをながめると、

くろけむりがってる。

底本:「定本小川未明童話全集 3」講談社

   1977(昭和52)年110日第1

   1981(昭和56)年16日第7

初出:「赤い鳥 特別号」

   1919(大正8)年2

※表題は底本では、「あかとり」となっています。

入力:ぷろぼの青空工作員チーム入力班

校正:本読み小僧

2012年821日作成

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