神經家の言
田山録弥


 新世紀に出た正宗白鳥君の『古手帳』の中に、『蟲齒が痛んで苦んだ。琺瑯質が壞れて神經が現はれるのださうだ。心の琺瑯質が壞れて、露出した外界の熱さ寒さに觸れたら、どんなに痛いだらう。』といふ句があつた。新人の言、神經家の言。

底本:「定本 花袋全集 第十五巻」臨川書店

   1994(平成6)年610日復刻版発行

底本の親本:「定本 花袋全集 第十五巻」内外書籍

   1937(昭和12)年118日初版発行

入力:特定非営利活動法人はるかぜ

校正:きゅうり

2019年426日作成

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