『美術運動』への答え
宮本百合子



一、長い病気をしていて、どの展覧会もみられずにおります。残念ながら、この項お答えできません。

二、美術の上でのリアリズムの問題は、創作の具体的な経験の中でどのように展開されてきているでしょうか。

 シュールの画家達が社会的な感覚では動き出していても自分たちの手法から成長するめどが発見されていないようにみられます。きわめて興味あるこの問題は、どう展開されてゆくでしょう。

〔一九四九年十二月〕

底本:「宮本百合子全集 第十七巻」新日本出版社

   1981(昭和56)年320日初版発行

   1986(昭和61)年320日第4刷発行

底本の親本:「宮本百合子全集 第十五巻」河出書房

   1953(昭和28)年1月発行

初出:「美術運動」

   1949(昭和24)年1210日号

※「一、今年一年を通じて良いと思った作品数点。二、来年の美術界に何を望むか。」との問いへの答え。

※底本の「解題」(大森寿恵子)は、この作品名を「仮題」としています。

入力:柴田卓治

校正:磐余彦

2003年915日作成

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