「我らの誌上相談」
宮本百合子
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病母と弟を抱えて
お手紙拝見しました。あなたのお心持の入りまじった苦しいところはよくわかります。ましてあなたの場合、まだきまった対手が姿をあらわしていないから、いろいろそれを根拠として具体的な相談をすすめて行く条件が、あなた御自身にもわかっていない。いわば、空をつかむような心配です。
従って、私たちにしろ、山田さんと同じように実際の対手が出来た上で、家へ一緒に住むかどうかということを定めるしかないと云う返事のほか出来ません。
ただ、あなたの手紙で感じた一つのことを云いますと、それは、あなたがボンヤリながら、今の世の中にそういう境遇におかれた若い女の結婚難というものに恐怖を抱いていられるという事です。
夫と家へ一緒に住もうか住むまいか? 若い弟嫁と母とだけでは心配だという心持のかげには、自分の複雑な家庭の事情が、対手を面倒がらせ逃がしてはしまうまいかという焦慮がひそんでいると思います。
そして又実際、多くの男は、女に大した財産でもあれば別ですが、さもなければ女の実家の厄介は背負いたがらないものです。あなたの悩みも、つまりは、どの男でも妻であるあなたの実家の商売、病身な母などについて快よく心労をわけあってくれるとは云えないと感じているところにあるのでしょう。
こういう悩みをもつ若い女はあなた一人だと思ったら大ちがいです。都会にだって、幾千人あなたと同じ苦しみをもっている若い女がいるかしれません。
親は娘としてどこまでも自分に尽してほしがる。夫は夫で妻というものを夫の利益のためだけに考える。仲にはさまれ、切ないのは娘です。親からは、親をすてる気か! と云われ、男からは親の方が大切か! とやられ、到頭運命とあきらめ若い年月をただ工場の埃に埋もれて暮している人も少くないのです。
だが、何故今の世の中では、こういう結婚難があり、親の勝手、夫の勝手というものに若い女が挾まれて苦しむことが多いのでしょう。
わたし達は、その原因まで深くさかのぼって考えて見なければ、めいめいの境遇についても覚悟がきまらないと思います。
こういう苦しみは、みんな資本主義の世の中であることが原因です。めいめいの私有財産をつたえ守るために家族制度が発達して来ています。一軒の家の中だけでかたまり、儲けをこっそり一軒の家の中へだけためて行く。(大きくなれば三井、三菱)損をして又は失業して食べられなくなろうとも、やっぱり苦しみはその一家だけが背負うように世の中が出来ている。
ですから、例えば工場でお父さんが十五年も働きつづけ、機械にはさまれ死んだとしても、会社は半年ももたない涙金をくれるぎり。あとは母親と娘、息子でやっとこ生きて行かねばならぬ。だから、どうしても父親のない後の母親などは、娘の重荷になる。若い男にしろ、女房は亭主のものと思う古い風習がのこっているところへ、この頃の不景気では女の母親の世話までひきうけるほど給料はとれない。そこに辛いところがあるのです。
世の中がかわって、永い間働いた者の妻は夫の死後一生扶助料を政府から貰えるように、夫と妻との権利は平等であるように、養う親持ちの場合は、そのことを政府が考えて助けてくれるような社会にならなければ、女は若くても年とっても安心な暮しは出来ません。
兵役にしろ、大切な働きてを一年も二年もとりっぱなしで、オイチニ! オイチニ! とばかりやるし、本はろくなのがよめず、家業は忘れる。あとにのこって苦労するのはあなたのように、多くの場合女です。これもブルジョア社会のつらさです。
働くものの国ソヴェト同盟では、こういうことで苦しむ女はなくなりました。国全体が働く者によって働くものの幸福を真先に考えつくられているから、或る年限真面目に働けば年とって独立に暮らせるだけの扶助料を国家が出してくれます。働いていたお父さんが死んだ場合、お母さんへの扶助料は出ます。
集団農場では、兵役に行ってしまった若者の家族の中に働けないものがいるときは、集団農場が責任をもって養ってくれる仕組なのです。
こうなってこそ、めいめいが安心してくらせ、今われわれのまわりで何千人という正直な、働く婦人が経験している苦しみはとりのぞかれるわけです。
こう云ったからと云って、今すぐあなたの困難はとりのぞかれないのは知れています。けれども、あなたの困難はいろいろ形こそちがえ決してあなた一人のものではなく、日本の若い女数千人が皆負わされているものであること、そして、それは深い今の世の中の不合理な仕組から来ているものだということは、分ったと思います。
あなた一人としては、偶然物わかりのいい親切な青年を夫とすることが出来れば一応問題が解決したように見えます。
けれども、万一、好都合に行かなかったらどうでしょう。
お互に女です。幸福に生きたい願いは一つです。その幸福は、今のままの世の中の仕組みではわれわれ金のない、自分の力で働いて生きてゆくものには与えられません。わたし達は働く者全体が幸福に暮せるような世の中にするため熱心に働き、いい世の中にして行かなければ自分の幸福も来ないわけです。
良人と私の思想について
この頃のようにサシ迫った世の中になり、働く者プロレタリア、農民の利益とそれを搾るブルジョア、地主の利益との衝突がハッキリして来れば、自然わたし達の生活にも、人間らしく生きるためには、どっちについて、どっちの味方となって闘って行かなければならないかという問題が起って来るのです。
日日新聞や、朝日新聞、そのほか山ほどあるいろいろの婦人雑誌でも、古くから「身の上相談」はやっていますが、あなたのような問いは、今の世の中にどんなにか多くの婦人が苦しんでいることだのに一つものせられない。何故でしょうか。ああいう新聞や婦人雑誌に資本をかけてやっているのはみんなブルジョアだから、そういう自身の利益とは反対なプロレタリア、農民の運動の正しさとやむにやまれぬ力を知り自分の暮しの経験から知り、自分もその仕事をやって行きたいと思って苦しむような婦人の相談には、のってくれないのです。よしんばのってくれたにしろ、キットあなたの御良人の兄さんの大本教信者のように「母は子供のギセイになれ」とか「家庭のことだけしていればよい」とか答えるのが落でしょう。
われわれは違います。こういう問題は、あなた一人だけのことではなく、いろいろな年齢の、いろいろの境遇の婦人が、真面目に考え、苦しんでいることだと思えるのです。
さて、あなたの旦那さんは、会社へ勤めておられるそうですが、その会社で良人の方は大株主ででもあるのでしょうか。重役とか? または格のいい主任級の方でしょうか。
なぜというに、この頃のギリギリと行きつまった世界の不景気時代、タダの会社員だったらいつ会社の都合でクビになるかしれたものでない。クビになったら、又別の口はなかなか見つからず、退職手当と云ったって、涙金です。一年つづくか二年つづくか当のつかない失業の間を、笑って暮していけるだけ、あなたの旦那さんは金持ちの方でしょうか。
若し、クビにされる心配は重役だからない。病気で半年休んでもおっかないことはない。クビにするならしろ、笑顔でクビにされてやるというブルジョアなら話は別ですが、あなたのお手紙が、ありふれたノートの紙をひきちぎった上に書かれているところを見れば、そういう方の妻とも思えません。
良人の方に、まず、何故この頃どの会社でも月給は上らず、手当は減り、しかも何ぞというとクビ、クビでおどすかという訳を、毎日の暮しの間に細かく説明して見せたら、どんなものでしょう。
万一クビになり、しかも良人が病気になりでもしたら、暮しは誰が保証してくれるか。搾るだけ搾られ、用がなくなれば、生きようが死のうが貴様の勝手と放り出されることは、工場の労働者だって、洋服をきた会社員だって同じことです。
大学まで卒業した人が三十五円四十円の月給さえナカナカとる口のない今の世の中に、会社が丸の内にあるばっかりに、俺は労働者なんぞとは人間が違うんだと、搾られている当人が思っているとしたらほんとに笑いものです。
あなたが働くと云えば、良人の方は家のことをしていろ! と云われるそうです。少しでもあなたが自分で金をとるようになると、思うままをするだろうと、それを嫌って止めろと云うのでしょうが、もしも今、目の前で良人が失業つづき、二人の子は育てねばならず、しかも家中売れるものは売りつくしてしまったという瀬戸際になった時、あなたが働くといっても、良人の方はやっぱり女は家にいろ、と云われるでしょうか?
本に書いてあるそのままの理屈で良人とケンカをせず、じわりじわり、良人の方が良人とし、父親とし、会社に雇われている身では今のブルジョアの世の中でどんな危い橋をその日その日とわたって頼りなくすごしているかを、目に見えるように納得させる方がいいと思います。あなたのお手紙に書かれたところだけで察しると、こういう大切な根気のいい働きかけがされたかどうかと考えられました。
ソヴェト同盟のような世の中になれば、まず失業はなくなる。万一失業があっても、国家は働く者同士でこしらえているから互に思いやりある組織で、キット失業保険がある。妻子があればその分だけ割増しがつく。六十歳までよく働けば養老保険さえ出るから、安心して職務につくせる。
女の幸福、子供の幸福のためには、例えば到るところに託児所がある。幼稚園がある。無料でごくヤスい金であずかってくれる。
大本教の兄さんが云われるように、何も女は子供のギセイとなんかならず。子供も母ももろともにのびのび生きて、正しく働けるようになる。
お互にそういう世の中にこの世をしたいからこそ、そして、それはプロレタリア、農民の社会にならなければ出来っこないからこそ、めいめいがめいめいの職務で身に応じた根づよい働きで、その日を早く来させようと闘っているのです。
わたし達は、たとえたった一つのことでも正しいことを知ったら、きっとそれを自分のまわりの何人かに分らせて行くような努力を、いつも忘れてはならないと思います。
自分ばかりが多勢の中で物が分っていたって何もなりはしないし、実際のことは出来もしません。
あなたが、これらのことをこまごまと親切に話し、なるほど道理はそうかもしれないが、俺は許さん! と良人の方がガン張れば、それはその時だと思います。
あなたが、自分は解放運動のために働くしか生きるに道がないと信じ、良人の考えは変らず、離婚するしかないと分れば嫁入り前の妹のことを気に病むなどということもないでしょう。
夫婦は、つまり同志でなければ、われわれの場合うまく、力を揃えてやって行けるものではありません。
二人の子供を、自分の腕で食わせる覚悟をしてその方法を見つけるか、また良人が、そんな女に子供は渡せんと子供をあなたからとってしまったとしても、覚悟は一つであろうと思います。
あなたの毎日の生活は工場やその外の職場で働いている労働婦人の生活とはちがい、本でよんで勉強し、争うといっても家庭の中で良人と理屈からはじまっての争いをやるので、この五銭をキリ下げられて俺達は食って行けるか! と資本家につめよる必死なプロレタリア、農民の争いとは、良人の方にしろあなたにしろ、腰の据わり工合がちがいます。
暮しのユトリは考えのユトリをも与えているのです。然し、暮しのユトリと云ったところで、中流家庭の小さい安定などというものは今日ドシドシ崩れ、プロレタリアの陣営に加わって来ている。
女が女として幸福に暮らそうと本気で願えば、本当に婦人を解放し、母となる権利も同時に十分認めて保護してくれるプロレタリア、農民の世の中にしたいと努力せずにはいられない。
日本をこめて世界の工場や農村で、働く婦人は勇ましく解放の日のために闘っている。あなたの現在と同じような境遇と苦悶をもっている沢山の工場外の婦人も、自分が職場にいないからと云って引込むべきではないと思います。しっかりやりましょう。だが、工場の中で大勢して働き、どんなときも団結して闘う練習のつまれている労働婦人とちがって、一人一人きりはなされて暮らしている家庭の婦人は、どうしても互にガッチリかたまる熱がよわいものです。また、女学校などに入って、ブルジョアの教育をどっさりうけている女ほど、頭の中や言葉の上でだけは一応道理がわかってプロレタリア、農民の味方となろうとするが、そしてその勉強もするが、とかく勉強だけに終って、行動にまで出ない弱点があります。
あなたが、自分の進んで行くハッキリした道を決めるためには先ず工場、農村でどんなに忍耐づよく毎日毎日を解放に向って働く大衆が闘っているか、その実際を目と耳とで身にしみて知り、それに対して自分はどんな手伝いが出来るか真面目に研究し同時に良人に向ってもきりっとして親切なプロレタリアの女らしい動かない態度で、さっき云ったような工合に分らせようとやって見ることです。
大騒ぎだけして一時ケリがつくと、あなた自身上べだけゴマ化し様子を見ていると対手もその間は知らん顔をしているなどというのは、正直に云えば双方で鼻息をうかがう卑屈な態度だと思います。
『働く婦人』を手伝いたい
『働く婦人』がほんとにわれわれ働く婦人の雑誌だからこそ、こうして支持し、そこに働きたいと思われるのだと信じます。全く『処女』『白百合』『希望』などという雑誌は、われわれの毎日を幸福にするために知らなければならないことを何一つ教えぬ。
やすいやすい賃金でも働く婦人が黙っておとなしく搾られているよう、若い働く婦人の物の考えようをブルジョア、地主の都合よいものにするよう、隅から隅まで考えてつくられているのです。
『働く婦人』と正反対です。『働く婦人』は隅から隅までわれわれ働く婦人が自分たちの生活を少しでもよくして行くためには知らねばならぬことを、正しいプロレタリア、農民の立場から、話し、示し、盛りこんでいる。
さて封筒書のことですが『働く婦人』は日本プロレタリア文化連盟の出版所から出されているものです。編輯は日本プロレタリア文化連盟に加盟しているいろいろの文化団体からの代表があつまってされているのです。『働く婦人』だけの事務所というものは、ですからありません。出版所の中でひっくるめて、いろいろの仕事がされているのでして、今さし当り、人手は不要な有様です。
すぐ『働く婦人』の事務のために働いていただくことはこういう次第で出来ませんが、お話の様子ではあなたは『働く婦人』を毎号お読みのようですから、先ず、直接購読者となり、追々『働く婦人』を中心としたサークルをこしらえて行ったら実にいいと思います。(サークルについては三月号附録をよんで下さい)また、あなたが働いていられるところで見聞きするいろいろの出来事とか、友達に『働く婦人』を見せたら何と云ったとかいう一寸見ると小さいようなことでも、どんどん『働く婦人』に投書するようにして下さい。そして、段々長い通信も送れるようになり、『働く婦人』の通信員となれれば、お互にどんなに助け合えるでしょう!
『働く婦人』を支持するのは、決して、そこの事務所で働くということだけに限られていません。
それどころか、一人でも多く直接購読者をつくり、通信を送り、サークルをこしらえて行くことこそ、実にわれわれの大切な雑誌『働く婦人』を守り、育て、強固な皆の役に立つものにしてゆく方法なのです。
どうぞこのことを理解し、猶一層『働く婦人』を支持して下さい。われわれの婦人雑誌はただ一つ『働く婦人』があるぎりです。
就職のことその他
今月号『働く婦人』の巻頭の檄にあるとおり、つい先頃、日本プロレタリア文化連盟に加えられた理由のない弾圧のため『働く婦人』直接購読者の一部に被害があるらしいことを非常に心配しているところなので、あなたのお手紙は特別注意をひきました。全くあなたの手紙の通りです。どんな場合にでも私たちはただ一人では弱い。しかし同じ目的に向って進む階級としてかたまれば実につよい。団結の力はどんなに強いものかということをブルジョア・地主は知っているからこそ、たとえば文化サークルのように何でもないものまで当局は、ただそれを中心に大衆が集るというだけで、もうとやかく干渉するのです。過去の経験を、現在あなたが『働く婦人』の直接購読者としてどんなに活かしていられるでしょうか。そのことを、私たちは知りたいと思います。先の経験で一人ぽっちでは弱いということをつくづく知られたらしいが、『働く婦人』を中心として現在ではサークルでも組織していられますか? 何人かがかたまって集団的に取次者をきめて直接購読をしていられますか? 若しまだでしたら、価値ある経験をすぐ今日の実際の中に生かしてゆかれることを希望します。ブルジョア・地主の政府が資本主義経済の行きづまりから死物狂いにファッショ化して来ている現在の日本で、プロレタリアの唯一の文化的武器である、プロレタリア出版物を支持し、その配布組織を敵から守って拡大強化してゆくことはわれわれに課せられて決してなおざりに出来ない階級的任務なのです。
文化連盟及『働く婦人』の基金募集応募のことは異議あろう筈はありません。例えば、『働く婦人』にしろ、実に困難な経済の中から苦心して発行しているのです。あなたがまとまって寄附なさることが出来れば幸いです。その他あなたのお友達の中で、よしんば纏った額を一時に応募することは出来ないにしろ、毎月一円ずつぐらいなら出せるという方でもあれば、すすんで『働く婦人』の維持員になるよう勧誘して下さい。維持員にはなれないが半年分誌代前納で直接購読ならしようという方があれば、これも大切な支持者です。いつも、われわれはその額の多少によらず心からわれわれの出版物を守ろうとしてされる経済的援助を歓迎します。
さて、就職の件ですが、お手紙に書かれていただけでは、あなたの親が就職そのものについてどんな意見をもっていられるのかはっきりしません。然し、自身技術をもっていて就職を望んでいるとしたら、適当な就職口を見つけて働き、集団の生活を知り、働く婦人としてどう搾取者と闘って行くべきかという訓練を受けるのはいいでしょう。われわれはブルジョア社会で搾られる働く婦人として官僚主義、差別待遇等に対しどこまでも闘って行くべきです。あなたはそれらに対し「随分反抗しつづけて来ましたがこの位のことが何でしょう」と云っていられるが、それはその時代の反抗が個人的に一人対一人として、組織の力によってではなくされたので、そういう心持を今あなたに起させているのだと信じます。あなたが団結の必要を知ったということは、即ちプロレタリアートを解放し、真に婦人の生活を幸福にするための闘争には強いプロレタリアートの組織がいるということを意味しているのです。今度就職したら、職場のみんなの不平不満をまとめ、個人の問題を働く婦人として全体の問題と連関させて闘う努力をされなければならないと思います。
就職をどこでするかという問題に答えるのは困難です。若し両親がどうあってもあなたの進もうとする道を妨げるのなら、顔を合わせぬ遠いところで勤めるのもいいでしょう。納得ずくでゆくときと行かぬ時とがある。いつでも納得ずくでなければことが決定されないとなると、ダラ幹式で或場合永久にわれらの主張の通りっこないこともある。その点を考えて行動されたらよいだろうと思います。
底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社
1979(昭和54)年7月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十五巻」河出書房(「病母と弟を抱えて」)
1953(昭和28)年1月発行
「宮本百合子全集 第九巻」河出書房(「病母と弟を抱えて」以外)
1952(昭和27)年8月発行
初出:「働く婦人」
1932(昭和7)年1~4月号
※『働く婦人』読者からの、身の上相談に対する回答。
※「病母と弟を抱えて」将来、結婚した際、病んだ実母をどうみていけばよいかに悩む女性からの相談。
※「良人と私の思想について」会社員の妻(結婚後四年、二十五歳、子二人)。進歩的な芝居や本にふれると、夫から虐待される。経済的な独立も許されない。大本教信者の夫の兄からは、勧誘される。
※「『働く婦人』を手伝いたいが」雑誌編集手伝いの女性。携わっている『健康』は、反動的。『働く婦人』を手伝いたいのだが。
※「就職のことその他」郵便局在籍時、進歩的な雑誌を購読していたことから、警察の取り調べを受けた。病気で退職した際の退職金から、四十円を文化連盟に寄付したい。電信の技術を生かして、再就職したい。反対する両親と、縁を切ってでも希望を貫くべきか。
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年6月26日作成
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