寺田寅彦



 天幕の破れ目から見ゆる砂漠の空の星、駱駝らくだの鈴の音がする。背戸せど田圃たんぼのぬかるみに映る星、籾磨歌もみすりうたが聞える。甲板に立って帆柱のさきに仰ぐ星、船室で誰やらがあくびをする。

(明治三十二年十月『ホトトギス』)

底本:「寺田寅彦全集 第一巻」岩波書店

   1996(平成8)年125日発行

底本の親本:「寺田寅彦全集 第一巻」岩波書店

   1985(昭和60)年75日第3刷発行

初出:「ホトトギス 第三巻第一号」

   1899(明治32)年1026日発行

※初出時の署名は「牛頓」です。

入力:Nana ohbe

校正:松永正敏

2004年324日作成

2016年225日修正

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