『姥捨』あとがき 太宰治 Guide 扉 本文 目 次 『姥捨』あとがき 所收──「葉」「列車」「I can speak」「姥捨」「東京八景」「みみづく通信」「佐渡」「たづねびと」「千代女」  この短篇集を通讀なさつたら、私の過去の生活が、どんなものであつたか、だいたい御推察できるやうな、そのやうな意圖を以て編んでみた。ひどい生活であつたが、しかし、いまの生活だつてひどいのである。さうして、これから、さらにひどい事になりさうな豫感さへあるのである。  卷末の「千代女」は、私の生活を書いたものではないが、いまの「文化流行」の奇現象に觸れてゐるやうにも思はれるので、附け加へて置いた。 昭和二十二年早春 底本:「太宰治全集11」筑摩書房    1999(平成11)年3月25日初版第1刷発行 初出:「姥捨」ポリゴン書房    1947(昭和22)年6月10日発行 入力:小林繁雄 校正:阿部哲也 2012年1月7日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。