にじの歌 小川未明 Guide 扉 本文 目 次 にじの歌 こちらの森から あちらの丘へ にじが橋をかけた。 だれが、その橋 渡る。 からすが三羽に 乞食が一人。 乞食はつえついて上がったが からすは、あわてておっこちた。 落ちたからすはどこへいった。 夕焼けの空へ。 上がった乞食はどこへいった。 お星さまの世界へ。 にじが消えた。 にじが消えた。 下の町には火が点いた。 底本:「定本小川未明童話全集 3」講談社    1977(昭和52)年1月10日第1刷    1981(昭和56)年1月6日第7刷 初出:「おとぎの世界」    1919(大正8)年9月 ※表題は底本では、「にじの歌」となっています。 ※初出時の表題は「虹の歌」です。 入力:ぷろぼの青空工作員チーム入力班 校正:江村秀之 2013年12月5日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。