『それから』予告 夏目漱石 Guide 扉 本文 目 次 『それから』予告  色々な意味に於てそれからである。「三四郎」には大学生の事を描たが、此小説にはそれから先の事を書いたからそれからである。「三四郎」の主人公はあの通り単純であるが、此主人公はそれから後の男であるから此点に於ても、それからである。此主人公は最後に、妙な運命に陥る。それからさき何うなるかは書いてない。此意味に於ても亦それからである。 底本:「漱石全集 第十六巻」岩波書店    1995(平成7)年4月19日発行 初出:「大阪朝日新聞」    1909(明治42)年6月20日    「東京朝日新聞」    1909(明治42)年6月21日 ※初出時、「大阪朝日新聞」には「小説それから」として、「東京朝日新聞」には「新小説予告」「それから」として発表された。 ※底本のテキストは、初出(「東京朝日新聞」)による。 ※作品の表題「『それから』予告」は、底本編集部による。 ※底本には、初出のルビを「適宜削除した。」旨の記述がある。 入力:砂場清隆 校正:小林繁雄 2003年3月31日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。