愛の詩集
孝子実伝
萩原朔太郎



ちちのみの父を負ふもの


ひとのみの肉と骨とを負ふもの


きみはゆくゆく涙をながし


そのあつき氷を踏み


夜明けむとするふるさとに


あらゆるものを血まみれにする

萩原朔太郎

底本:「抒情小曲集・愛の詩集」講談社文芸文庫、講談社

   1995(平成7)年1110日第1刷発行

底本の親本:「愛の詩集」感情詩社

   1918(大正7)年1

入力:田村和義

校正:岡村和彦

2014年514日作成

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