古巣
小川未明



つばめがかえるとき

真紅まっかうつくしい夕焼ゆうやけに、

少年しょうねんはらっぱをらして

あそんでいた。

つばめがきたとき

いえ周囲まわりいくたびもびまわった。

すると、少年しょうねんいていたらっぱは

まどしたてられて、

あかいさびがところどころにていて、どろまみれていた。

底本:「定本小川未明童話全集 3」講談社

   1977(昭和52)年110日第1

   1981(昭和56)年16日第7

初出:「新潮」

   1912(明治45)年5

※表題は底本では、「古巣ふるす」となっています。

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校正:江村秀之

2013年125日作成

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