雀の歌
新美南吉



小さい卵のなかにゐる

かあいゝ坊やよでゝおいで、

みんなはおまえを待つてゐる。


お空は青くはれてゐる、

坊やのお歌を待つてゐる。


梢の空気は澄んでゐる。

小麦は軒端にこぼれてる。


お花畑は呼んでゐる、

遊びにおいでと呼んでゐる。


光はいつぱいみちてゐる。

神様までが待つてゐる。


坊やよ坊やでゝおいで、

黄色いくちからでゝおいで、

母さん「ばあつ」とでゝおいで。

底本:「日本児童文学大系 第二八巻」ほるぷ出版

   1978(昭和53)年1130日初刷発行

底本の親本:「チチノキ」

   1935(昭和10)年2

初出:「チチノキ」

   1935(昭和10)年2

入力:菅野朋子

校正:noriko saito

2011年14日作成

青空文庫作成ファイル:

このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。