新美南吉



畑の光のなかにゐる。

黒い土をばかへしてる。


町の光の中にゐる。

馬をつないで売つてゐる。


窓の光のなかにゐる。

つむぎぐるまをまはしてる。


くらい光のなかにゐる。

つちで金鉱たゝいてる。


──人は光りのなかにゐる。

  神も光りのなかにゐる。

底本:「日本児童文学大系 第二八巻」ほるぷ出版

   1978(昭和53)年1130日初刷発行

底本の親本:「赤い鳥」赤い鳥社

   1933(昭和8)年4

初出:「赤い鳥」赤い鳥社

   1933(昭和8)年4

入力:菅野朋子

校正:noriko saito

2010年129日作成

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