「サント・ブウヴ選集」推薦の言葉
岸田國士


 批評は科学でもあり芸術でもあるといふ意味に於て、サント・ブウヴは正に批評家の典型である。批評の対照は彼によつて概ね例外なく鋭いメスを加へられ、そして、隠れた美質をつまみ出された。フランス文学の理解は、彼の「毒舌」に負ふところが多いことを、誰でも認めるだらうが、たゞ批評に魅せられることを望むものも亦、彼の業績を一瞥すべきである。

底本:「岸田國士全集26」岩波書店

   1991(平成3)年108日発行

底本の親本:「サント・ブウヴ選集 第一巻付録」実業之日本社

   1943(昭和18)年1115日発行

初出:「サント・ブウヴ選集 第一巻付録」実業之日本社

   1943(昭和18)年1115日発行

※初出時の表題は「推薦の言葉」です。

入力:tatsuki

校正:門田裕志

2010年521日作成

2016年414日修正

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